YAMAHAルーターRTX1300でフレッツ光クロスに10ギガ接続してみた
フレッツ 光ネクストの「にねん割」終了とフレッツ 光クロスの提供エリア拡大を受けて、自宅の光回線を乗り換える機会がありましたので紹介します。
「にねん割」は2023年9月30日(土)をもって新規申込受付を終了しました。現在、にねん割をご契約中の場合も、2024年3月に満了月を迎えたお客さまから順次提供を終了しております。
~快適にご利用いただける10ギガ光回線を2024年度内に東日本全県域で提供~
回線増設
元々は二世帯住宅でしたが、現在は一棟借りしています。
倉庫としていたスペースに前住人が敷設した光コンセントが残されており、NTTに問い合わせたところ、フレッツクロスの10G回線として利用できるダークファイバーであることが確認できました。
今回、このダークファイバーを利用してフレッツクロス回線を新規に申し込みました。
フレッツクロスの開通後、旧回線を解約することでインターネットの不通期間が生じることを回避でき、新規加入キャンペーン特典も受けることができました
新旧契約比較
旧契約
区分 | 月額利用料 (円) |
---|---|
ひかり電話利用料<基本プラン> | 550 |
フレッツ 光ネクスト ギガファミリー・スマートタイプ 月額利用料 | 6,270 |
プロバイダ料金(Biglobe) | 880 |
合計 | 7,700 |
にねん割や、マンスリーポイントの無い利用を2年間継続した場合、184,800円 (7,700円 x 24)となる計算になりました。
新契約
ビッグローブ光・ファミリー10ギガ 2年プランを、新規契約で申し込みました。
区分 | 月額利用料 | 回数 | 小計 |
---|---|---|---|
ビッグローブ光料金 (1年目) | 4,070 | 12 | 48,840 |
ビッグローブ光料金 (2年目以降) | 6,270 | 12 | 75,240 |
キャッシュバック特典 (1) | -4,070 | 1 | -4,070 |
キャッシュバック特典 (2) | -25,000 | 1 | -25,000 |
キャッシュバック特典 (3) | -30,000 | 1 | -30,000 |
合計 (24ヶ月料金) | - | - | 65,010 |
2年以内の短期解約に伴う違約金や工事費の精算が発生しない前提で試算すると、約12万円の費用が浮く計算になります
購入機器
10GbE、2.5GbE 対応のネットワーク機器を調達しました。
品目 | 金額 (円) |
---|---|
10GbEルーター (RTX1300) | 118,000 |
10GbEスイッチ (LGS510S) | 16,500 |
2.5GbEスイッチ (FNS-1200P) | 4,500 |
2.5Gbps USB LAN変換アダプター (USB-A) | 2,900 |
2.5Gbps USB LAN変換アダプター (USB-C) | 2,500 |
5m SFP+ケーブル(DAC) | 2,200 |
50cm SFP+ケーブル(DAC) | 750 |
合計 | 147,350 |
以下のようなネットワーク構成を組みました。
ネットワーク概要図
回線速度
いくつかのスピードテストサイトで、回線速度の測定を試みました。
Site | Type | Download | Upload |
---|---|---|---|
fast.com | ipv6 | 6.4 Gbps | 4.2 Gbps |
Cloudflare Speed Test | ipv6 | 3.49 Gbps | 465 Mbps |
みんなのネット回線速度 | ipv6 | 7048 Mbps | 6125Mbps |
〃 | ipv4 | 2161 Mbps | 3793 Mbps |
iNonius Speed Test | ipv6 | 2258 Mbps | 2501Mbps |
〃 | ipv4 | 2229 Mbps | 2420 Mbps |
- FAST.com
- みんなのネット回線速度
- iNonius_Speed_Test
注意点
ひかり電話
ひかり電話、廉価な通話手段として以前は活用していた時期もありましたが、今回のフレッツクロス導入を契機に解約しました。
AGEphone(エイジフォン)をスマホにインストールして設定すると、自宅ではスマホをひかり電話の電話機としてご利用いただけます
直近では、LINE、Zoom、Meetなどを通話手段として利用しており、固定電話への着信の大半はセールス関係でした。
ナビダイヤル「0570」番号に携帯電話から発信すると通話料が高額になる可能性がありますが、電話サポートの利用頻度が稀であることから、解約しても不便はないと判断しました。
ひかり電話の導入を見送った事で、ひかり電話用にレンタルされるルータ、ホームゲートウェイの利用を回避。独立したONUと、10GbEルータ(RTX1300)をシンプルな状態で利用できる副次効果もありました。
フレッツクロスは、リリース当時はひかり電話をサポートしていませんでしたが、昨年(2023年)からサポートを開始しました。また、来年2025年1月からは電話番号の双方向番号ポータビリティ(LNP)も開始される為、ひかり電話番号の維持はしやすくなります。
IPv4アドレス
ビッグローブ光 の IPv6オプションでは、パブリックなIPv4アドレスを利用する事が可能ですが、1アドレスを複数の利用者で共有する仕様のため利用できるポートなどに制限が存在します。
AWSのクライアントVPN、Google VPN などは問題なく利用できますが、AWS Site-to-Site VPN 接続要件を満たすことはできなくなりました。
フレッツネクストであれば、マルチセッションを用いて IPoE (V6プラス)接続と PPPoE接続を共存させる利用も可能でしたが、フレッツクロスではこの利用ができなくなりました。
IPv6 IPoE接続 (IPIP) でIPv4固定IPアドレスを発行するサービスもありますが、月額料金が高額です (フレッツクロスの6050円+プロバイダ費用として10,780円)。
現時点では、
- 自宅LAN内に外部からアクセスする機会がほぼ皆無となっている事
- ソースIP制限のある接続先に対しては、クライアントVPNや、Amazon Workspaces環境が利用できる事
などより、IPIPは費用対効果に見合わないとして導入を見送りました。
騒音、ノイズ
YamahaのRTX1300、10G L2スイッチともにファンを内蔵しています。スマホアプリを利用して簡易的に測定したところ、1m程度離れた状態では45db、隣接(数cm)した状態では最大60db程度の騒音レベルが記録されました。
少し古めの冷蔵庫のコンプレッサーが作動中と同程度のノイズです。静かな居室にルータなどを設置する必要がある場合、10GBASE-Tの利用を避け、SFP+接続をサポートするネットワーク装置を利用するか、発熱が穏やかでファンレスの2.5GBASE-Tを利用することをおすすめします。
消費電力
10GBASE-T、10GbEでリンクした1ポート毎に2〜2.5W程度の電力を消費するとされています。
電力モニタ機能を備えたスマートスイッチ経由でネットワーク機器を接続し、平時運転中の消費電力を測定しました。
装置 | 消費電力 |
---|---|
10GbEルーター (RTX1300) | 15W |
10GbEスイッチ (LGS510S) | 12W |
WiFiルータ(BE65) | 11W |
10G-PON | 7W |
合計 | 45W |
以前のネットワーク機器の消費電力は未測定でしたが、ネットワーク機器の10GbE化で消費電力量は最大で2倍程度に増加した可能性があります。電力料金単価は30円/kWhで計算した場合、2倍でも月額500円程度の増加で済む計算となりました。
まとめ
キャンペーンやキャッシュバック特典を活用できた事で、今回は数万円の支出で10GbEなインターネット環境を導入する事ができ、従来の実測500〜600Mbps前後だった回線帯域、6倍程度まで拡張する事ができました。
違いを体感できる局面こそは多くありませんが、スピードテストや負荷テストを実施していないタイミングでも、1Gbps以上のトラフィックが記録されているタイミングが存在する事から、回線増強の効果は出ているものと思われます。
今回のフレッツクロスの導入で、最大のメリットはルータを含めた安定したネットワーク環境が実現できた事。
以前は PPPoE接続は Yamahaの NVR500 や TP-Linkのルータ、IPoE (V6プラス)は ひかり電話ルータを併用していましたが、ひかり電話のルータは月に数回不調となる事があり、電源オンオフによる再起動で回復するといった事が発生していましたが、これが改善できました。
ネットワーク機器などの初期費用を除けば、2GbE、10GbEのマルチギガ回線のランニングコストは、1GbEから大きな増額なく利用する事が可能です。従来のPPPoE接続、IPv4アドレスの維持を必須としない場合には、乗り換えもご検討ください。